ECOMACO®(Ecology by Oka Masako)のコンセプト
岡 私自身の「いつも自然の安らぎに包まれていたい・・」という気持ちを、そのまま表現したものがECOMACO®の洋服です。自然のエネルギーを身に纏うことで、女性は穏やかで優しい表情になれる。その上で、時代と共に女性の生き方は変わっても、美しく健康でありたい・心身共に自由でありたい・社会的責任を果たしたい・・といった、女性が本来持っている素直な気持ちを満たしてくれる洋服を作りたかった。そこから、ECOMACO®のコンセプトは生まれました。
Ecology…自然に戻せる素材:環境・社会に対する責任を果たすこと
Healthy…肌にやさしい、ナチュラル、健康で安全であること
Free…心身ともに自由であるライフスタイル:女性らしくしなやかに生きる
これはECOMACO®のコンセプトであり、私の描く理想の女性像でもあります。

原料から「自然」にこだわっている理由
岡 洋服づくりに自然へのこだわりが生まれたのは、1994年清掃工場で開催したファッションショー「環境とファッションの共生」でした。偶然見学に訪れた清掃工場で目の当たりにした、大量に廃棄された洋服の山・・その光景に大変な衝撃を受けました。流行を追い、大量消費・廃棄を繰り返すファッション界のあり方に疑問を抱き、その疑問を形にしたこのファッションショーを通して、CO2削減につながるなどの環境に配慮した洋服の必要性を痛感しました。原料を使い切っていくこれまでの価値観から離れ、持続可能な社会を実現する原料を求め、繰り返した試行錯誤の日々。
その中でポリ乳酸繊維やバンブー、和紙という原料に出会い、それを洋服という形にするための技術を持つ職人さん達との出会いがありました。
※ポリ乳酸繊維:トウモロコシ等のでんぷんから得られる乳酸を原料にした、自然循環型の生分解性繊維
素材へのこだわり
岡 身体を包む一番小さな空間である衣服から、肌ざわりや安全性を追求したかったんです。私たちの身のまわりにあるもので、その時代のコンセプトを最も表現しやすいのが素材です。時代のコンセプト=その時代のあり方が変わると、まず最初に素材が変わる。今、衣服はもちろんのこと、インテリアや建築物などあらゆる空間が人間の肌に近づいている、より親和性の高いものへと進化していると思います。素肌の持つ心地よさ・温かさ・安らぎ・一体感を、時代が求めているからでしょうね。
色へのこだわり
岡 カラーアナリストを長い間やってきて実感したことですが、日本は色彩の教育意識に乏しい国です。競争をあらわに街中に乱立する看板、環境に無配慮に建てられる建築物・・無意識に私たちにストレスを与えるものが多くあります。安らぎや癒しというものを追求していくとき、色彩は欠かせない要素であり日本人は古くから、四季折々の色彩の変化に癒されながら、情緒の豊かさを育んできたのだと思います。
自然の美しさ、癒しの色をそのままに表現していけたらと考えています。
手仕事へのこだわり
岡 ECOMACO®の手仕事へのこだわりは、日本の伝統技術、職人技を次の世代に大切に伝承していきたいという気持ちから。また、私個人の思い出ですが、子供の頃母が何でもない洋服に刺繍を入れてくれた、それだけでそれは私の自慢の洋服になったんですね。仕事をしていた母でしたから、その忙しさの中で自ら手を加えて作ってくれた、その気持ちが幼な心に嬉しくて。その洋服を身に着けたときの温かく、まるで母がそばにいてくれるような心強さは今でも心に残り忘れられません。
後は、小さい時から母に「もったいない」と何度も叱られた記憶があるからでしょうか(笑)布の切れ端まで使えるものは使いたい、捨てるのはもったいないと思うと自然に手仕事が多くなりますね。
デザインのインスピレーションを受けるもの
尊敬するデザイナーは?
岡 シャネルですね。初めてモードを通じて生き方を示した女性だと思います。
何が流行っているかではなく、これからの女性像(=自立した女性)に必要なものを見極めて、それを洋服に表現した人。その生き方が好きですね。
好きな本は?
岡 『原因と結果の法則』(ジェームズ・アレン著)
私のバイブルです(笑)人生がそれほど複雑でなく、非常にシンプルで分かりやすいものなのだということを気づかせてくれる本です。
その他、光や水、風・・何気ない現象で変化するものからインスピレーションを受ける事が多いですね。私がいつも意識するのは、「人の手8割、自然2割」という言葉。
私の洋服も、変化する、ということが大切な要素です。物づくりが人の計算通りにいくのは8割まで、残り2割は、自然が生み出す様々な偶然やうつろいに託します。
これからのECOMACO®?
岡 『自然のエネルギーを身に纏う』・・これがECOMACO®の原点です。目指すのは、たとえオフィスの中で仕事をしていても、着ることで自然の安らぎを感じ、自然と穏やかな表情が生まれてくる服。嬉しいと思うのは、お客様からいただく「ECOMACO®を着ると優しくなれるのよね」という言葉です。その言葉に、自然から私がもらったものを1%でも表現できたのかな、と・・。
お風呂上がりからフォーマルまで1着の洋服でokという着心地の良さと自然素材のやさしさを長く味わって、愛してもらえたらと思います。
以前、『あなたは何に包まれたい?』というタイトルで企画展を行ったことがあります。綿・シルク・麻に始まり、糸の歴史を紹介すると共に、目を閉じて原毛に触ってもらうなど、小さな子供さんから年配の方まで、改めて私達を包む「衣服」について問いかける企画展でした。私がファッションについて考える時、常にそこに「包まれる」という意識があります。今後は、ファッションの世界に限らず、「自然を纏う・自然で包む」をテーマに子供服やインテリアまで、ECOMACO®の世界が皆様の生活に安らぎと微笑みを提供できるものに成長させていきたいと考えています。
特に子供服は、2004年に「ちひろ×岡正子展」と題して、いわさきちひろさんの絵画を子供服として再現させる企画展を行いました。ちひろさんのご子息の猛さんが、私の服とちひろさんの絵の雰囲気が似ている、とおっしゃって。ちひろさんの絵の優しい色づかい、微笑みなどの表情が私の洋服の透明感に通じるものがあると。そこから、ちひろさんが平和をあの絵に託したように、私も子供服を通じて、自然の穏やかさで子供達を包んであげたい、その思いを表現してみようと思いました。こうしたいくつかの企画展を通して、これまで様々な表現の場を与えていただきました。
今後は、実際に子供が日常で手に取れる洋服を作ることで、子供達に穏やかさ、安らぎを届けていけたらいいですね。